2011年12月2日金曜日

@jonathanstrayによる「デジタルパブリックスフィアは何をすべきか」を読んで思うこと

タイムラインから目について@jonathanstrayによる「デジタルパブリックスフィアは何をすべきか」という記事を読んだ。ラフに要約するとこうだ。

今年の初め、僕は自分が語ろうとしているものの呼び名がわからないということに気づいた。僕が語ろうとしているのは―ジャーナリズムにソーシャルメディア、サーチエンジン、図書館、それにウィキペディアとアカデミアなもの、これらを知識とコミュニケーションのシステムとして捉えたもの―呼び名はない。でも生態系が存在している。ツイッターからキュレートされたリアルタイムのフィードや、リファレンスとしてのウィキペディア、ニッチな最前線で活躍する記者たち、コンピューター科学者がその中にいて、人間とアルゴリズムの両方のキュレーターがいる。芸術家や芸術作品もそこにはあって、なんていうかみんなでシェアしている世界っぽいもの。

これを何て呼んでいるか、ある人は「メディア」だと答えたが僕はメディアの芸術性やエンターテイメントな側面を語ろうとしているわけじゃなく、もっとディスカッションとかコラボレーションを通じた調査、新しい知識がで生まれるような概念も含んだものを語りたいのだ。別の人は「インフォメーション」と呼んだけど、知らされる情報だけでは片付かない。すごく近いけど「第四の権力」が表す新聞やジャーナリズムだけじゃなく、市民参加やパブリックディスコースを含めた、民主主義の下にあるもの。

ひっくるめて、僕はこれをハバーマスの考えを下地にして「デジタルパブリックスフィア」と呼ぶことにした。ちょっとドライな名前になってしまったけど今のところはこれがベストに思った。Michael Shudsonの「ニュースが民主主義のためにできる6つか7つのこと」という論文からもインスピレーションを受けて、デジタルパブリックスフィアは僕たちのためになにができるか、を三つのまとめてみた。

1)情報
2)共感
3)コレクティブアクション

このコレクティブアクションというのは、共同体がオーバーラップする時代だから。

なんでこんなことを今話しているかって?ジャーナリズムにソーシャルメディア、サーチエンジン、図書館、それにウィキペディアにいろいろ・・は今こそ共通の目的のために協力しなくちゃいけないからだ。
今あるネットワーク化された非中央集権的な生態系が形作るデジタルパブリックスフィアをみんなが大事だと思える目標のために協力していこう。

こう要約した私がどの角度からどんなサングラスでみているか少し話そう。私は現実主義的な国際関係論や政治学にどうしても抗したくて(政府がアクターだなんて!?)、いわゆる第四の権力について大学で学んだ。言い替えるとジャーナリズムとコミュニケーション論、それと文化人類学をおろそかにしないカルチュラルスタディースを少しだけかじってみた。マスコミがどう、ってことよりも草の根運動とか世論形成の方に関心があったのでなんとなく合わないなと思いつつも、フォーク(folk、民衆)の日々を綴ってこそ!という思いがありつまりはジャーナリズムっという椅子に座って考えたりモノを見たりすればいいと思ってた。ところが大学卒業前の2007年に聞いた二つの話にダブルパンチを受けた。ひとつはジョン・ピルジャーのプロフェッショナルジャーナリズムは意図的につくられたものというシカゴでの演説、もうひとつはコロンビアのJスクール出身の日本人教授が最後に、コミュニケーション論もジャーナリズムも「学」ではないんだよねっと今更ながらに話してくれたこと。私が呼吸し考え夢見ることを後ろ盾てくれる「共同体」とか「民主主義の味方」みたいなものは裸の王様の衣装にすぎなかったと。おそらく中立公平のせめぎ合いなんて、王様のズボンのチャックか何かだろう。

非実践的、非問題解決的、古典的学問に嫌気がさし(しかも学問とも呼べない!)、なんとか気を取り直して「情報」とその「構造」に目を向けるようになった。今のところすごく混乱している。「共同体」っていう捉え方で解決できないのは自覚しているから、そこにネットワークとか非人間とかいうアプリケーションを入れるようにしている。なんだかすごいスピードでいろいろ解決してくれたような気もしたが、じゃあそのアクタンやネットワークを「認識」する主体は誰なんだよっていう仰天のブートストラップ問題にひとりで陥っている。

@jonathanstrayが名づけられなくて困っているものと私がわくわくしている好きなものは同じ。ジャーナリズムにパブリックディスコースに公園と美術館とハッカーを混ぜたような新種のうごく地図。彼はデジタルパブリックスフィアというあまりグっとこない名前をつけた。(それだったらシビックメディアとかシビックエンゲージメントで私はいい、と思ってしまう。)天気さえわからない公共圏を名づけるよりも、ソーシャルキャピタルの豊かにするという合意で生態系の発展を創造する共同作業に着手するのが間近の目標だろう。

2011年9月20日火曜日

ジャーナリストのためのオープンソースGISツール

(抄訳)ジャーナリストのためのオープンソースGISツール
by Matt WynnPublished Sep. 19, 2011 9:54 amUpdated Sep. 19, 2011 10:19 am
http://www.poynter.org/how-tos/digital-strategies/146263/introduction-to-open-source-gis-tools-for-journalists/
しばらくの間、地図情報を活用するのは一部のジャーナード("ジャーナリズム"と"NERD"「オタク」を掛け合わせた造語)だけだった。それが変わってきているどころか激変していると言ってもいいだろう。GIS(ジオグラフィーもしくはジオグラフィック・隠語メーション・システム)は記事の生成と伝達ともに含まれる重要な役割を担いつつある。

モバイルにとって重要なのはロケーション(位置情報)だ。ニュースのアイテムを地図コード化するでニュースを場所に応じてフィルターにかけることができる。「エブリブロック」というプロジェクトの基軸となったコンセプトも位置情報であった。ニューヨークタイムズ紙の新しいプロジェクト「ベータ620」では経度の情報を使っている。

地図リテラシーの需要が増すとともに、デジタル地図生成法も爆発的に進化した。ここ数年でインタラクティブな地図やロケーションベースのサービスがたくさん生まれている。分析ものからAPIものまで。使えるツールはいろいろあるけど、まずは僕のオープンソースGISスイートの序説から始めよう。

まず足をつけてみる:QGIS
ジャーナリストは様々なデータセットをレイヤーや地図にするためにGISを使っている。典型的に、データセットは「シェイプファイル」として点、線、多角形などに加え情報が入った地図データである。商用モノにしてはオープン水準のシステムと言えよう。むかしはなん二日間もかかって頭痛になりながらした作業も今日ならグーグルのフュージョンテーブルやリファインを使えば簡単にできる。

地図コード化した結果を衛星画像や他のシェイプファイルと比較してみると新たな発見がある。例えば宝くじの売り上げと貧困、トルネードのサイレンが人口を覆っているか、マイノリティー人口と担保物の受け戻し権喪失のリスクとの関係など。

アークビューがオフィスに入っている、けど自分の使っているパソコンには入ってないという記者がほとんどだろうがQGISがあれば心配いらない。それでははじめ方をいくつか。

・QGISのウィキにはビデオのチュートリアルやベクターのシェイプファイルなどがある。6年生の社会の勉強を思い出しながらやってみてください。ティム・ヘンダーソンがQGISとジャバスクリプトライブラリーを使って作った素晴らしいチュートリアルビデオはおすすめだ。またミシェル・ミンコフの空間記録を手に入れる方法に関するポストも参考になる。

一歩進んでみる:PostGIS

QGISは分析にはもってこいだが、オンラインで読者が使える機能性の高いものにしたいのならもう少し馬力が必要だ。PostgreSQLはデータベースっプログラムだ。データを保管したり回収するためのものだが、量に量を重ねる情報に活躍する。


要はPostgreのポパイにとってホウレンソウみたいなもので、データベースツールに空間のサポートが加わったようなものだ。「太朗さん」を探したい時には太朗さんを探すクエリを書く必要が無く、かわりに5キロ圏内の太朗さんの家とか50キロ圏内の太朗さんの家、を探したりすればよいのだ。スーパー太朗をリストから外すこともできる。おなじみのSQLをつかって行う。ある小包を4分の1マイルのなかで探す場合以下のようなコードを書く。


SELECT * FROM parcels WHERE
ST_DWithin(geom, geomfromtext( 'point(-95.9375,41.2586)),.25);



いいでしょう?でもコマンドを書くのが嫌だっていう人もいる。それにGISのいいところは地図を生みだしたりできるところ。とするとQGISをPostGISデータベースにつないで見てみたり、編集したりすることができる。PostGISならいくつもシェイプファイルがいらない。

追加でPostGISの理解を深めるために:
QGISとPostGISをつなげる方法
POSTGISオンラインはSQLの例をあげている。 BostonGISの紹介にはこうある「GISとウェブマッピングのソリューションに。オープンソースで無料のGISテクノロジー」

オープンレイヤーを使って
市役所で手に入れたシェイプファイルを、国勢調査の情報でレイヤー化して、PostGISにするところまできればすばらしいニュースをあなたは手に入れることになる。これだけがんばったニュースを読者に見てもらうにはこの方法がいいだろう。

まずオープンレイヤーを入れる。これはジャバスクリプトのライブラリーで、中でも簡単でキレイな地図をつくることができる。ジャバスクリプトだから、ウェブページ内のファイルを指示することになり、サーバーに負担をかけない。

オープンレイヤーではグーグルやバーチャルアース(Bing)、オープンストリートマップのタイルを使うことができる。ここでさらに自分のレイヤーを入れることもでき、便利なのがLayerSwitcher(レイヤースウィッチャー)。いくつかのレイヤーのうち、表示・非表示のkり変えをすることができる。ここで、レイヤースウィッチャーを使って、バーチャルアースとグーグルタイルを使ったコードをみてみよう。





オープンレイヤーの使い方を学ぶにはとにかくやってみるいことだ。

最後にDjangoをつかって

Djangoはこれまで話してきた強力なツールをすべて一緒にすることができる。しかも簡単に仕える。

場所の近くの小包を見つけるコードの例でみてみよう


nearby=Parcel.objects.filter(geom_distance_lte=(parcel.geom, D(mi=.25)))


ひとつの行のコードでPostGISから0.25マイルの中の小包をすべて選択してくるよう指示している。その結果をオープンレイヤーに渡し、マップに出してくれるのがDjangoだ。

簡単な紹介だけど、地図を使ってみるというのはますます発展していくフィールドだからぜひ試してほしい。

2011年9月11日日曜日

SXSWは全然音楽だけじゃない!

音楽好きなら必ず行ってみたいSXSW. (サウスバイサウスウェスト)と読みますが、これはテキサス州オースティンで行なわれている世界最大の音楽コンベンションです。何度も繰り返しますが音楽ファンの間では、「もう、絶対行きたいよいつか・・・大物バンドも新進気鋭のインディペンデントアーティストもいち早く観られる!」と鼻息荒くなってしまう大型イベントなワケです。

さてそんな音楽産業展には音楽以外の要素も含まれており『映画』それから『インタラクティブ』という部門があります。『インタラクティブ』では主にデジタル界隈の議論がされます。そのパネル候補がとってもエキサイティングなテーマばかり!特に私には・・。


投票結果次第なのでまだ確定ではないようですがまずはフリープレスのJosh Stearnsがオーガナイズするセッションのテーマ

If You Love Journalism Set It Free ジャーナリズムが好きなら解き放ちたまえ!

(概要)
「ウェブVS紙媒体、ブロガーVSジャーナリスト、市民VSプロ」の議論はもう終わった。もはや区別など存在しない。今起きている最高のジャーナリズムはプラットフォームやプロセスに縛られていない。情報を広げ、自由にするために行われているのだ。このセッションでは「ニュース」の古い定義から飛び出し新しいあり方へ向かわせているジャーナリスト、新しい方法でストーリーを伝え、かつてジャーナリズムそのものがプラットフォームだった頃とは違い、ニュースをネットワーク的なアプローチで発展させているジャーナリストを迎える。ニュースを再発明し革新するマルチメディアジャーナリストの話を聞く。

マザージョーンズのスティーブ・カッツ、PBSフロントラインやNPR、アルジャジーライングリッシュからもパネルスピーカーを迎えます。もう豪華・・・

組織ジャーナリズム批判に終始する日本の議論が本当さびしいですね。もう別次元ですから。

ほかにも

Socializing the Presidency: Digital Politics 2012 大統領選をソーシャルにする

2012年の大統領選にソーシャル・デジタルメディアはどんなトレンドを生みだすだろうか?Rock the Voteキャンペーンのような草の根の運動から何を今日に生かすべきか。クレイグリストのCraig NewmarkやRock The Voteの代表、PBSニューズアワー、VOTE LATINOよりスピーカーを迎える
公職選挙法でブログが書けない・・・とか言っている国にいると泣けてきますね。凍りつきます。ロボットとオタクと首相交代の国なのに・・・あ、だからか・・・。


草の根組織とインディーズ音楽、公共放送、インディペンデント映画が手を取り合うと、こういう面白いことができるわけです。どれも日本に該当する組織があるのですから、こういうことやっていってほしいと思います。そしたら前列でバンドみて、パネル聞きに行けます。

2011年8月20日土曜日

Explore Jeju

I made a short trip to Jeju island (South Korea) in August 2011.
済州島(韓国)を訪問してきました。

You might have heard of Jeju, since Gloria Steinem, an author/activist and a co-founder of theWomen’s Media Center has written an op-ed on NYTimes appeared on Aug 7th entitled " The Arms Race Intrudes on Paradise" about construction plan of a base in Gangjeong.
8月7日のNYタイムズ紙に著者でアクティビストのグロリア・ステイナムが、済州島での基地計画について書いた記事をご覧になった方もいるかもしれません。グロリア・ステイナムは女性メディアセンターの共同設立者でもあります。

Gangjeong villagers and supporters around the globe are protesting against the base, including
Bruce K. Gagnon of Global Network Against Weapons & Nuclear Power in Space and more information available in English from SAVE JEJU.org as well as their facebook page.

江汀(カンジョン)の村の人たちと世界からの支援者が基地に反対する運動を展開しており、「宇宙への兵器と原子力の配備に反対するグローバルネットワーク」のコーディネーター、ブルース・ギャグノン氏もそのひとりです。

Jeju Island, the world natural heritage site designated by UNESCO is often called "Women's Island". Alice Walker once said in her speech at Black Women Writers Dissecting Globalization event in 2004, "the feminists in South Korea are wonderful. They’re very strong. Very energetic." recalling her visit to Jeju Island.

済州島は、UNESCO指定の世界遺産がある美しい島ですが「女性の島」とも呼ばれています。アメリカの作家、アリス・ウォーカーは2004年のスピーチで済州島について「韓国のフェミニストたちは素晴らしい」と話しています。

Also, the long tradition of Sea-women diving allowed women divers to be economically independent from men, making Jeju feminism unique. Ko Myounghee, the Head of Jeju Women's Crisis Center and
Jeju Association for Women's Rights told me " Henyo, the women divers made independence
song to protest Japanese military. It was women who were fighting against the occupation during the Great War"

Jeju Association for Women's Rights (picture taken at meeting room)
was founded in 2006, aims to eliminate violence against women, and promote women's right, peace and justice, through taking on issues such as comfort women and domestic violence.
(写真:済州女性の権利協会内にあるミーティングルーム)
また、古くから続く海女の習慣が女性を経済的に自立させていたことが、この島の女性地位の独自性を促したとに由来するかもしれません。2006年に設立され慰安婦問題やドメスティックバイオレンスなどについて取り組む済州女性の権利協会(Jeju Association for Women's Rights)のセンター長のコー・ミョンヒ氏は、「海女たちは、
大戦中に「独立の歌」を作り歌って日本軍に抵抗しました。こうした抵抗運動をしていたのは男性ではなく女性だったのです」と話してくれました。

"Tamra the Island" , a Korean drama illustrating Jeju Island ("Tamra" is old name for Jeju) you can see powerful sea women divers . Given the beauty , many films are shot in Jeju island. Along with Jeju Film Commission , Jeju Media Center is oldest of its kind in Korea. In Jeju Visual Media Center (photo) , students learn how to use cameras and other equipment.
韓国ドラマ「Tamra the Island」の中でも力強い海女さんの姿を見にすることができます。
済州島はその美しい自然から観光地としては韓国国内でもかなり予算規模が大きいほか、映画のロケ地としても有名です。
済州島のフィルムコミッションとともに、済州島には韓国で最初につくられたメディアセンターも非常に充実しています。ここでは、小中学生が映像制作などのトレーニングを受けに来るほか、一般向けに映像編集のワークショップ等を開催しています。
Jeju Visual Media Center 内の写真)

2011年8月1日月曜日

The Independent Television Service (ITVS) 20周年!

インディペンデントのドキュメンタリー作家を公共メディアでサポートするThe Independent Television Service (ITVS) が20周年を祝って選りすぐりのドキュメンタリーをオンラインで放送しますhttp://itvs.org/indies-showcase(一応アメリカ国内しか見れない、ということになっているみたいですが)

公共メディア、多様な意見を支えるITVSのページには、パブリックメディアで働く人たちの声が短い動画でまとめてあります。

http://itvs.org/indies-showcase/media-leaders


チェックしてみる甲斐があると思うので是非!

2011年7月11日月曜日

放射線マップ Mapping Data


http://safecast.org/
では、ボランティアたちが測定した放射線量をマップ化しています。


オペレーションコドモタチ
のDELI (http://twitter.com/#!/dondeli)がガイガーカウンターとともに自主的に日々測定し、その様子をtwitcastingで中継しアーカイブス化している。

結局一番大事で有効な重要を必要とする市民は、大手メディア伝えないことを自ら情報収集し、発信する主体となっている。

2011年7月10日日曜日

”データジャーナリズム”

http://blogs.forbes.com/oreillymedia/2011/07/08/data-is-shaping-the-future-of-journalism/

ニューズルームの存在意義は、ソーシャルネットワークを通じて届くニュースが増える中でまったく立ち居地が変わってきている。

そんな今、ナイト財団が支援する将来のジャーナリズムに最も期待が高まっているのは、主にデータジャーナリズムと市民がつながるプラットフォームである。

GigaOmと言うサイトに、Mathew Ingramさんは、スタートアップ企業がデータをイノベーションの活力として捉えているのと同じように、ジャーナリズムや市民発展を目指す人々もデータの重要性について気づき始めている、と話しています。((※ざっくりした要約です。翻訳ではありません)

Knight News Challengeの受賞プロジェクトをいくつか。

どうやらデータの見える化、Visualizationをしてくれるみたい。

公民的(へんな日本語かな)プログラマー向けツール。データ収集に。

きました、取り組みの早いノースカロライナです。不動産や学校情報、犯罪統計などのデータを自治体と地域新聞と共同で収集し出版するツール。ハイパーローカルに向いてるっぽい

・パンダ
なんだかまだ全容がわかりませんが、エクセルだるい、データベースなんて意味不明、プログラミングなんかできるわけない、そんなジャーナリストがデータマネジメントをしやすくするためのツール、らしい。これから期待。




PubCampでもお会いした さんの撮ったビデオ
リンクの記事の後半も要チェックですがいったんここまで。

2011年7月6日水曜日

モバイルバンキングinハイチ


震災後、銀行が崩壊し現金を入手困難な状態が続いた中で、携帯電話がいかに活用されたか簡単に説明された動画です。ViewChange.orgより。

貧困ライン以下でほとんどのひとが暮らす中、携帯電話は基本的必需品としてほとんどの人が手にしていた、そのプラットフォームを利用したモバイルバンキングについて、取り上げています。
主にアメリカからの援助団体の視点で、ビル・ミランダゲイツ財団のサポートを受けている点をお忘れなく。

ViewChange.orgでは、こうした変革を起こした人々の物語の映像がたくさん紹介しています。オンラインでの視聴のほかにLinkTVでも放送されているとのこと。

2011年7月3日日曜日

パーソナルデモクラシーフォーラム2011

テクノロジーで変わりつつある民主主義の姿を議論するパーソナルデモクラシーフォーラムが行われていました。オンラインでの生放送をご覧になった方もいるかもしれませんが(そんなかたはwitchbabe23と仲良くしてください)、すべての講演がyoutubeにアップされたので、US時間にあわせて起きていられなかった方はぜひご覧ください!わたしもとてもじゃないけど、部分しか中継みられなかったので、アーカイブスからいいスピーチ、リソースひっぱって勉強するつもりです。

UshahidiとかSwift Riverとか↓

PdF 2011 | danah boyd: Networked privacy





主に上記4つあたりが個人的には絶対おさえておきたいスピーチです。
日本も、こういうフォーラムあるのかなぁ、NTTとかでやってるのかなぁ。

2011年5月10日火曜日

メモ:図書館新時代

新しいネットワーク
1)ネットワークされた個人化
・集団よりもネットワークに
・ソーシャルネットワークの影響力の増大
など
2)新種のコミュニティの登場
・グループ活動がさかんに
・社会的所有(social posses)
・「ちょうど今」、や「私みたいな」といったP2Pグループ
・寄稿者として

革命1~3 (略)
グラフを参照

スライド38から
図書館が付け足すソーシャルネットワーク的宇宙
1)新しいリテラシーへの教育者となる
・コンテンツや倫理、グラフィックなどを含めたリテラシー教育

2)市民の格差を埋める手助け役となる
・公的機関(行政)、民間、第三セクターなどをそれぞれ近づける
・エンパワーメントを行い、ネットワークされた個人へと連れて行く

大きな課題3:パブリックテクノロジーの行方[スライド42}
・アクセスポイントやナレッジ(知)の容器は将来どうなるか
・もたらす分断は
・「貸し借り」「アクセスする」といった図書館のコンセプトはどう進化するか

2011年2月7日月曜日

Citizen 2.0 (#pubcamp セッション)

2010年11月20日にアメリカン大学で行われたパブリックメディアキャンプの一日目、最初に参加したセッション「Citizen 2.0」について簡単に紹介します。

まず、Citizen 2.0とはなんでしょう?ここ数年よく耳にした言葉の一つに「Government 2.0」があります。Government2.0では、自治体がインターネットを活用し行政の情報を開示したり、よりアクセスしやすくする、っといったことが行われてきましたが、このセッションの提言者はトップダウンの情報だけでなくもっと地面からの、積極的な市民参加と情報化社会について、つまり「Citizen2.0」についての議論をしたいという思いがあったのでしょう。

(セッションのメモはこちらhttp://bit.ly/pubcamp10notes より。14ページが該当セッション)

セッションのスピーカーSteven Clifte-democracy.orgについて紹介してくれました。市民が政治家と年に一回、会って話す機会は作れないだろうか、どうやったら、自分たちの代理人である議員とインタラクションをとることができるか、電話だけでなくメールでやりとりしたり、家族や友達にも同じように行動してもらうにはどうしたらいいか、そういった思いのなかで始まったプロジェクトです。
住民にメールアドレスを登録してもらい、議員とやりとりする。e-democracy.org内のフォーラムでディスカッションする、などの参加方法があります。Steveさんは、ボードに貼った紙とペンをもって近所を回りメールアドレスを登録してもらうという方法で住民の10%(550人くらい)が参加することになりました。






e-democracy.orgの地域の参加者から「コミュニティガーデンが地元にあったらいいのに」という投稿があり、ほかの参加者も「わたしもコミュニティガーデンがほしい」と賛同者が増え、実際にコミュニティーガーデンをつくるためにミーティングをし、つくる、ということが起きたという事例も紹介されています。
日本で行われている地域SNSの取り組みと近いものかなあと思います。
アメリカでは地方の新聞社が廃刊していく現象が増えているいっぽうで「ハイパーローカル(めちゃめちゃ地元)」のオンラインニュースが伸びています。「ローカル」に焦点をさだめることでより関連性の高い議論が関心を呼んでいるのかもしれません。
ZIPCODEを使って本当に近隣だけでオンラインの議論をするNeighborlyというプロジェクトも非常に興味深いです。

2011年1月28日金曜日

International Children's Day of Broadcasting

「世界子ども放送日」について紹介します。

 3月の第1日曜日は2011年国際子ども放送日です。世界中の放送局がTune into Kidsを合言葉に子どもたちのための番組づくりをしたり、子どもについての番組を放送するだけでなく、何よりも子どもたちを編成プロセスに参加させ、自分たちの夢や希望について、話をシェアする日です。毎年、百カ国以上の数千もの放送局が参加しています。

 テレビとラジオはグローバルな問題についての意識を高める重要な役割を担うメディアです。また同時に、子どもたちの生活を形作る上でも大きな役割を担っています。ユニセフでは、放送局に対し、自国の子どもの発育を向上させるために、子どもたちの苦境を詳しく描いたドキュメンタリーや、ジェンダーステレオタイプを取り除くようなドラマ、差別を減らすようなアニメーション、勉強になり同時に面白い番組作りを促しています。テレビやラジオは子どもたちや若者にとって意義のある、ポジティブなメディア経験となることができるのです。

 ユニセフは3月6日だけでなく年間を通して若者に電波(放送波)を開放するよう主張しています。

今年のテーマは、「GIRLS ARE...BOYS ARE...(女の子って、男の子って)」
 女の子でいることの意味は?男の子でいることの意味は?それぞれに特有で生まれ持ったふるまいや能力、関心はあるのでしょうか?ジェンダーのせいでできなかったり、やらせてもらえなかったりすることはあるでしょうか?いずれも、生涯に同じだけの機会が与えられているでしょうか?

 世界各地で男性と女性の社会での役割は異なります。思春期は少女や少年から大人へシフトする時期であり、ジェンダーの役割にフィットすることに直面する時期です。若い人達が、同じ年代の仲間がどう思っているか表現したものを見聞きすることは大切です。

 国際子ども放送日(ICDB)は若者の意見を見つけ、その視点や物語に耳を傾けるプラットフォームを提供します。テーマに対する決まったひとつの答えはありません。若者たちにとって、さまざまな役割を知ったり、色々な夢を見聞きすることはインスピレーションとなるでしょう。

 放送局はICDBが提供する素材を利用してスペシャルプログラムを組むことも出来ます。ロゴやグラフィック、素材などの用意があります。

 どうぞ2011年3月6日の国際子ども放送日にユニセフとともにご参加ください。優秀者はICDBアワードを受賞するチャンスがあります。詳細についてはこのページから

2011年1月23日日曜日

なくなるラジオたち




































パブリックメディアキャンプの報告を置いてきぼりにしたまま、ラジオの話題をひとつ。
SFGate.comによると、サンフランシスコ大学は、カレッジラジオKUSFの電波帯をクラシック音楽局に売却し、オンラインのみとすることと決定。これまでボランティアで参加していたDJや学生から反対運動をしています。

学長は「学外からのボランティア参加者が多く、学生の利益になるものでないから今回の決定にいたった」と話ています。

SFGate.comの記事では「この日、音楽は死んだ」との書き出しで始めていますが、ラジオがなくなると本当にそうだな、と思います。昨年の愛知国際放送の免許返上はミッドランド、東海エリアを構成する様々な住民にとって、音楽が途絶えてしまった日だと感じます。

2011年1月4日火曜日

「アンカンファレンス」Unconferencing @PublicMediaCamp

2010年11月20日と21日にアメリカン大学(D.C.)で開かれたパブリックメディアキャンプについて報告します。

NPR、PBS、iStrategyLab、Center for Social Mediaなどが共催している公共メディア当事者+パブリックのミーティングです。会場にはNPRのCEOであるVivian Schillerや公共放送局で働く人たち、プログラマー、コーダー、ディベロッパー達、そしてパブリックメディアに関心のある人々が集まりました。

だいたい300人くらい参加している、とのこと。そのうち感覚的に3割くらいはプログラマーやコーダー達です。もし日本放送協会が支局と本社と業務委託の人々をつなげるフォーラムを行ったら、プログラマー達がたくさん集まることは期待できないでしょうが、アメリカの公共放送界隈では、APIを通じたコンテンツに非常に高い関心が寄せられているからなのです。

●Vivian Schiller [NPR CEO]
「去年と同じようにこの場所に立てて光栄です。パブリックメディアキャンプは全米各地でも開かれるようになり、とてもわくわくします。今回の参加しているみなさんは、民主主義に貢献している大変重要な役割を担っているということをぜひ認識して下さい。あなたたち一人一人がパブリックメディアを通じてこの国の情報弱者にニュースやカルチャー、質の高い情報にアクセスしやすし、民主主義に参加しやすいようデザインしてくれているのです。またグーグルのマイケル・フレドリックさんにはNPR一同とても感謝しています。」

パブリックメディアキャンプ(以降PubCamp)に参加してびっくりしたことをいくつか。

★当日になってもスケジュールが無い
「アンカンファレンス」という形式の会議で、上記のビデオをご覧いただくとわかるのですが、当日みんなであつまってから一気に全員の自己紹介(名前、所属、自分を表すタグを3つ)をします。PubCamp会場となるいくつかの会議室で自らセッションを開きたい人はセッションのタイトルと簡単な説明をし、それを3人の速記者がメモしていきます。全員の紹介が終わると、セッションの部屋割を多数決で決めていきます。それが終わると写真のようなスケジュールができあがります。


★自由!(あなたもあなたもパブリック!)
iStrategyLabのPeter Corbettがこう話します。
「このPubCampはあなたのPubCampです!なんでもこうしたほうがいいと思ったら、私達に聞かなくてもやっちゃってください。お手洗いへの道順を示す紙が壁に張ってないのは、だれも貼らなかったからです。もっといいPubCampになると思ったら、自ら進んで行動してください」

「セッションを立候補した人も、プレゼンをする必要はありません。会議室で輪になってみんなで発言しあうようにしましょう」


一方で、ちょっと気になることも。
ただのブロガーです、とか地元でコミュニティーオーガナイザーやってます、みたいな人はあまり参加していませんでした。私は個人的に、ヒスパニックが全然いないぜ!と思いました。DCに来る前日まで、NYのアップタウンに滞在していたせいかもしれませんが・・・。アジア系の公共放送ではたらくある女性も「あまり、わたしたち(つまりいわゆる非白人層、マイノリティ層)が会場にいないわね!去年もそうだったんだけど」と話していました。この指摘は、Black Public MediaのNonso Christian Ugbodeもブログ(2009年のPubCampについて)で指摘しています

「パブリック」とか「公」と言ったときに、あなたや私がいないけど「とりあえずみんなのもの」、とかお上のモノ、になってしまう日本の状態と少しオーバーラップする部分も。こうしたことは、どんな場合にもそうなのかもしれないな、と思いました。

セッションの内容や印象に残ったことはまた改めて書きます。

Life Inc. 日本語字幕付けました

12月18日にNYで行われたメディア向けのブックパーティーに潜入してきました。
そこでLife.Inc 著者Douglass Rushkoff氏にお会いすることができました。




2010年の春頃、何かのきっかけ(たぶんTED→Seth Godin経由)で知りアマゾンで買って、旅行直前にブックパーティーの情報を知って、本誌持ってNYに行きました。このブックパーティーには小説家やライターなど4人くらいパネリストがいて、かなりカジュアルな感じでした。作家たちはそれぞれ少しの間朗読し、帰りには最新作のペイパーブックの無料配布もありました。

会場では@rushkoff氏ともお話しでき、「スペイン語字幕は誰かやってくれたよ。日本語もどうだい?」ということだったので挑戦してみました。

ビデオで語られている「仕事が終わると疲れ果てて、誰かと何か一緒にしようなんてとうてい思えない」
「競い合っているからフレンドリーな雰囲気で人と出会うことは難しい」
という部分には、かなり共感しました。